子どもの視力低下が増えている。目を守るための栄養とは?

2020年度の学校保健統計調査の結果によれば、裸眼視力が1.0未満の小中学生の割合は過去最悪を更新したそうです。(小学校37.52%、中学校58.29%)周りでも特に高学年になると、メガネをかけ始めるお子さんが多いなと感じます。

これまでもゲームやスマホなどの視聴時間は増えていましたが、コロナ禍でさらにタブレット学習やオンライン学習も加わって、光による刺激で目を酷使する機会が増えていることも要因かもしれません。

そこで子どもの目を守る栄養について書いてみました。

まず思いつくのはブルーベリーのアントシアニン!

目にいい食べ物といって最初に思いつくのは「ブルーベリー」ではないでしょうか?目にいいと謳ってるサプリって、パッケージにブルーベリーの絵が描いてあること多いですよね。

ブルーベリーに多く含まれるアントシアニン視力、視覚機能の改善や眼精疲労予防に効果があるとされています。

ではなぜアントシアニンが目にいいのか?

目の網膜にはロドプシンという色素タンパク質があります。

網膜に入ってきた光をロドプシンが受け取ると、ロドプシンは分解されて電気信号を発生させます。これが視神経を通して脳に伝わることで「見える」と感じるんです。

そしてその分解されてしまったロドプシンはレチナールになりますが、短時間で自然に再合成されてまたロドプシンになります。目を使う限り、こうやって分解と再合成を繰り返すわけです。

ですが加齢や目を酷使することで、この再合成が追いつかなくなって視力低下や目の疲れを引き起こしてしまうんですね。

アントシアニンは、このロドプシンの再合成を促進するといわれています。これが目にいいと言われる所以なんです。

アントシアニンは、ブルーベリー以外でも、赤しそ、ぶどう、紫キャベツ、そして色の濃いアメリカンチェリーにも含まれているので、意識してとってみるのもいいと思います。

ブルーベリーだったら、冷凍のものを買いおきしておいて、朝のフルーツに追加したり、スムージーに入れたり、おやつにつまんだりすると摂りやすいですね!

不足しがちなビタミンA

子どもの成長にかかせない栄養素のひとつであるビタミンA

様々な生理作用がありますが、

1. 免疫

2. 皮膚・粘膜

3. 視覚

と覚えています。(他にも成長促進や精子の正常な形成など多くに関係してます。)

「視覚」、入ってますね〜

ビタミンAはレチノイドとも言われ、構造の違いで「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」に分かれるんですが、先ほど出てきたロドプシンは、このレチナールとタンパク質(オプシン)が結合したものなんです。

というわけで、ビタミンAも目に大事!となるわけですね。

さて、そのビタミンAですが、日本人のビタミンA摂取量は2004年を境に減少傾向

成人の推奨値は650μg〜900μgに対し、令和元年の国民健康・栄養調査によると1日平均摂取量は534.1μgと不足状態です。

ビタミンAは自然界では入手しづらく、意識して摂らないと不足しやすいと言われていますが、たしかに気をぬくとすぐに不足状態になってしまうな〜と感じます。

ビタミンAを摂るには何を食べればいい?

やっぱりレバー!鶏レバーか豚レバーがオススメ。

レバーの甘辛煮

ビタミンAだけでなく鉄、亜鉛、タンパク質も豊富で、サプリメントのような食材。100gのレバーで14,000μgのビタミンAが摂取できてしまう。

焼き鳥のレバーの串だと、1本30gとしても4,200μg!約5日分の推奨量を満たしてしまうんです。すごくないですか!?

ビタミンAは脂溶性ビタミン。摂り過ぎると体に蓄積して過剰症をひきおこすので怖いですが、逆に毎日食べなくても貯めておけるってことでもあります。毎日少しずつレバーを食べるのは難しいですが、月に2、3回食卓に取り入れるならできますよね。

だからと言って一度にたくさん食べすぎないように。大人は串で2、3本までの量に、子どもは体重比で減らす感じがいいと思います。

うちは、鶏レバーの甘辛煮(砂糖を入れない)、ごま油香る鶏のしっとり塩レバー(クラシルさんのレシピ)でごま油をオリーブオイルに替えたもの、あとは低温調理でレバ刺し風にして食べることが多いです。

毎日の食材として欠かせないたまご

レバーは無理よ!!って方は、うなぎ、あなご もありますが、そんなに頻繁に食べるものでもない。そこで登場するたまご!

たまご2個で300μgのビタミンAが摂れますので、大人は1日2個、子どもは1日1〜2個を目安に毎日摂りたいです。

足りない分はβカロテン豊富なお野菜で

緑黄色野菜などに含まれるβカロテンも体内でビタミンAに変換されます。

  • 人参なら80g(1/2本程度)で580μg
  • かぼちゃは100g(1口サイズが4〜6個程度)で330μg
  • 小松菜100g(2株程度)で260μg

のビタミンA摂取ができますので、うまく組み合わせて取り入れたいですね。

サプリメントを活用

マグネットでデコってます^^;

子どもが嫌いなものばっかり。。。涙、という方には、サプリを活用してみるのもアリだと思います。

うちは、昔ながらのカワイ肝油ドロップを活用しています。砂糖がまぶしてあるのが少し気になりますが、娘は普段甘いお菓子は食べないので、逆に喜んで食べてます。苦笑。

「肝油」とありますが、随分昔(昭和30年代)から天然の魚由来ではなく合成のビタミンA&Dが使われているみたいなので、そこも少し気になるところです。。。が、製造元に問い合わせたところビタミンAはレチノールの形で配合されているとのことで、過剰摂取しなければ問題はないのかなと思っています。

天然由来のもので子どもも飲みやすく、人工甘味料など入っていないものがあれば、そちらも検討したいです。

大人用にサプリメントを購入される場合は、できれば天然のビタミンAのものを選ぶ、そしてβカロテンのサプリメントはなるべく避けるといいと思います。。そして特にサプリは飲みすぎて過剰症にならないよう注意

そしてやっぱり、タンパク質!!!

アントシアニン、ビタミンAに続いて最後に忘れてはならないのは、タンパク質です!!!

結局これなしには語れないのよ、栄養は。ってやつです。

え?目にタンパク質いる??と思うかもしれませんが、いるんです!

さっき出てきたロドプシンだって、レチナールとオプシンっていう「タンパク質」が結合したものでしたよね。

そしてちょっと小難しい話をすると、腸管から吸収されたビタミンA(レチノール)は肝臓に貯蔵され、その後RBP(レチノール結合ダンパク質)と結合して血中を通って各組織に運ばれます。RBPというタンパク質がビタミンAを運ぶ箱のような役割をするわけです。なので、ビタミンAを摂取していてもタンパク質不足だとビタミンA欠乏症のような症状が出たりもするんです。

レチノールからレチナールへの代謝も、酵素(タンパク質)がないとできませんしね。

というわけで、タンパク質、やっぱり必要なんです!

以上、目を守る栄養について書いてみました。

アントシアニン、ビタミンA、タンパク質! これらは視力だけでなく夜盲症やドライアイにも効果があるといわれています。少しでも意識して日々の食事に取り入れてもらえるといいなと思います。

そしてもっと言うと、これらの栄養をしっかり生かすためには、さらに別の栄養も必要になってくるんですが、それらはこの3つの栄養を含む食材に一緒に入ってたりするものなので、なるべくサプリではなく食材から摂取することを意識するのがいいな〜と思います。

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