「甘いお菓子や飲み物の摂りすぎが子どもの人生を狂わせる」と言っても過言でない。

さて、子どもが甘いものを食べ過ぎるのはよくない!と思っている人は多いと思いますが、「なぜダメなの?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?

●虫歯になるから
●太るから

と、思いついた人は多いのではないでしょうか?

でも、これだけではないんです。もっと怖い理由があります。

我が家では、今は甘いお菓子はめったに買いませんし、甘い清涼飲料水は一切買いません。数年前までは甘いもの大好きでよく食べていた私がこうなったのは、砂糖や果糖ブドウ糖液糖の心身に及ぼす影響を見逃せないと思ったから。

「子どもは甘いもの好きなのに、あげないなんてかわいそう…」という空気も感じることがありますが、是非これを読んでいただきたい。

毎日甘いお菓子をおやつとして子どもに食べさせるのが優しさではないです!( • ̀ω•́ )キリッ✧

  

甘いお菓子や飲み物が子どもの心身に与える影響

①血糖コントロール障害による低血糖症を引き起こす

私たちの体は、食事をすると血糖値が空腹時の1.5倍程度まで上がりますが、血糖値を下げるインスリンというホルモンが分泌されて、ゆっくりと血糖値が下がって元に戻ります。こうやって、一定の範囲内に保たれるようになっていますね。

だけど、たとえば、歯の浮くようなあま〜いお菓子を一気に食べたり、甘いお菓子と甘い清涼飲料水を同時に食べたりすると、血糖値がガバッと爆上がりします。

血糖値が爆上がりすると、血糖値を下げるためにインスリンが慌ててたくさん出て、今度は血糖値が急降下。(=血糖値スパイク)

食事をする前より血糖値が下がってしまい、低い状態が続く低血糖症になってしまうことがあるのです。正常範囲に血糖値がおさまらず、血糖コントロールができていない状態と言えます。

低血糖症は、うつ症状、キレる、イライラする、神経過敏、不眠や集中力低下、パニックなど、様々な精神症状を引き起こすことが知られています。低血糖症と犯罪の関連性は高いとする研究論文も複数あるほどです。

子どもに、落ち着きがない、集中力がない、キレやすいといった症状がある場合、それはその子の性質ではなく、砂糖や果糖ブドウ糖液糖の摂りすぎで血糖コントロールがうまくいかないことによる低血糖が起きているせいかもしれません。

  

②ビタミンB群を余計に消費してしまう

ビタミンB群✳︎は私たちの体が生きるためのエネルギーを作るために多くの役割を果たす重要な栄養素です。消化吸収されたものからエネルギーを作ったり皮膚や粘膜の代謝知能の発達脳機能の安定などにも大きく関与しています。

そんな多くの役割を果たすビタミンB群は、とても消費されやすいビタミンです。

なかでも、砂糖や果糖ブドウ糖液糖を含む「糖質」をエネルギーに変換する(糖質代謝)のにたくさん消費します。だから甘いお菓子や清涼飲料水をたくさん摂っていると、ビタミンB群は糖質の代謝につかわれてしまい、知能の発達や脳機能の安定に使う分が不足してしまうのです。

ビタミンB群不足では、やる気が出ない、集中力や記憶力が低下するといった症状が出ます。甘いお菓子や飲み物をたくさん摂っていると、頭が悪くなる!と言っても過言ではないですね・・・。

夜寝付けない、悪夢を見る、夜中に突然叫ぶといった睡眠障害もビタミンB群不足で起こります。
睡眠の質が落ちるのも、子どもの成長にとってとてもマイナスです。


✳︎ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パンテトン酸、葉酸、ビオチンの総称

  

③中毒性があるから、なかなかやめられない

「砂糖は甘い麻薬」「マイルドドラッグ」と言われたりしますね。

私が栄養の勉強を始めた頃に聞いた衝撃ワード。

以前の私は、板チョコなんか手にすると、やめられないとまらないで、仕事の合間にあっという間に1枚食べてしまうくらいだったので、この言葉を聞いた時はビビりました…(^◇^;)

疲れた時に甘いものが食べたくなるのは、糖質を摂ることで安らぎをもたらすセロトニンという神経伝達物質βエンドルフィンという脳内モルヒネが、一時的に脳内に増えて頭がスッキリしたように感じるからだと思われます。

でも、この効果、一瞬しかもたないんです。だから切らすとまた欲しくなる。そしてどんどん量が増えて行く。ないとイライラしてしまう・・・と依存症のようになってしまうわけです。

たまに少量食べる程度なら平気だと思いますが、毎日ことあるごとに甘いものを食べていると、依存状態になってしまいます。

     

④糖質以外の栄養素が不足する。

特に小さい子どもは、そもそも食べられる量が限られていますよね。

おやつとして甘いお菓子をたくさん食べてしまうと、食事の時間になってもお腹が空かず、食事から糖質以外のタンパク質やビタミン、ミネラルを補給する機会を失ってしまいます

食事中の甘い飲み物も同じく、満腹中枢が働いてしまい、糖分以外の栄養をしっかりと摂取できなくなりがちです。

  

⑤歯をちゃんと磨いても虫歯になる

毎日ちゃんとハミガキしてるのに虫歯になってしまう」という経験をされた方はいらっしゃいませんか?たぶん一定数いると思うんですね。

なぜか??ちゃんと磨いてると思ってるけど磨けてないというのもあるとは思いますが、実際に歯の表面には虫歯はないのに、内側では神経を蝕むほど大きな虫歯ができていたという事例もあるようです。

私たちの体は血液が全身を巡って、隅々まで栄養を運び、細胞はどんどん生まれ変わります。歯は、皮膚のターンオーバーのように何度も生え替わりはしないけど、同じように歯の内側から表面に栄養が運ばれているそうです。糖分たっぷりのお菓子や飲み物をとって血液中に糖があふれている状態だと、どうなるかはなんとなく想像できますよね。

糖尿病の人に虫歯が多いことを考えると、しっかり歯を磨くのはもちろんなのですが、そもそも甘いものをなるべく食べないようにすることも大事なのです。

  

  

糖質は必須だが、甘いもののとりすぎにとにかく注意!!

以上、甘いものが子どもの体や心に及ぼす影響について簡単にまとめてみました。

砂糖や果糖ブドウ糖液糖が、様々な心身の不調につながるということを、なんとなく知っていただけだでしょうか?

栄養療法でも、体に不調がある人のほとんどに、シュガーカット、シュガーフリーに取り組んでいただくことからもわかっていただけるかと思います。

でも、砂糖や果糖ブドウ糖液糖は、あらゆる市販の加工食品に含まれています。外食も同じです。入ってなさそうで入ってることが多い。調味料とか隠し味でも結構入ってます。なので、そんなに食べていないと思っていても、思っている以上に体に取り込んでしまっています

だから、せめて甘いお菓子や飲み物はなるべく摂らない!と思っていてちょうどいいくらい。

「みんなが食べてるから大丈夫」ではありません。「他の子達はたべてるのにかわいそう」でもありません。今はよくても、いずれ子どもの心身を苦しめることになりかねません。

将来の健康な心と体をつくるためと思って、まずは少しずつ砂糖や果糖ブドウ糖液糖の入った食品を減らしていきましょう!

  

ここまで散々、甘いものはダメ!と言っていますが、ひとつ気をつけたいのは、「糖質」自体は私たちの体には重要な栄養素です。特に子どものエネルギー源としては必須です。

糖質はお菓子や清涼飲料水ではなく、お米や野菜、芋類などからしっかり補給しましょう。

大事なのは、糖質は摂るけど食べ過ぎないこと、砂糖や果糖ブドウ糖液糖たっぷりのお菓子や飲み物を習慣的に摂らないことです。

  

そしてコレ、子どもだけじゃなく、大人もほぼ同じです。

もしパパ、ママもどこか不調があるなら、(なくても)、ぜひやってみてください。体調に改善が見られるはず。

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